Paula Rautionaho, Arja Nurmi, and Juhani Klemola (eds.), Corpora and the Changing Society: Studies in the evolution of English (John Benjamins, 2020)

本書の中の一章として、中英語から初期近代英語の-inglyがつく副詞の拡がりについての論文を寄稿しました。書誌情報は以下のようになります。

Iyeiri, Yoko. 2020. “So-called –ingly adverbs in Late Middle and Early Modern English”, in Corpora and the Changing Society: Studies in the evolution of English, ed. Paula Rautionaho, Arja Nurmi, and Juhani Klemola, pp. 199-222. Amsterdam: John Benjamins.

中英語後期から初期近代英語期の-ingly副詞

EEBO (Early English Books Online) から抽出したデータをコーパスとして、中英語後期から初期近代英語期の-ingly副詞の拡大のプロセスを明らかにした論文です。この時期には総頻度が増えるだけでなく、-ingly副詞の種類も急増していくことを明らかにします。同時に機能的な拡大も観察可能です。さらにBroccias (2012)がHarry Potter adverbsと呼ぶ特殊な用法の-ingly副詞にも触れ、その存在が一般に言われているよりも早い時期から広がっていた可能性に言及します。英語のホームページにも概要を載せていますので、ご参照ください。