高田博行・渋谷勝己・家入葉子 (編著)『歴史社会言語学入門―社会から読み解くことばの移り変わり』 (大修館書店、2015年)

歴史社会言語学という分野

社会言語学という分野及びその用語は20世紀に遡りますが、「歴史社会言語学」という言葉は2000年前後から頻繁に使用されるようになってきました。我が国で「歴史社会言語学」という用語を全面的に打ち出した書籍となると、やはりこの本あたりからになると思います。

本書は、ドイツ語、日本語、英語を中心に、複数の著者が歴史社会言語学的な説明が可能な現象を取り上げた共著による著作です。

ISBN:9784469213508(A5、256頁)
定価:2,300円+税

目次

第1部 序論

第1章 歴史社会言語学の基礎知識(渋谷勝己・家入葉子・高田博行)
第2章 文献と言語変種(金水敏)

第2部 言語変種

第3章 下からの言語史 19世紀ドイツの「庶民」の言葉を中心にして(シュテファン・エルスパス/佐藤恵(訳))
第4章 山東京伝の作品に見るスタイル切り替え 音便形・非音便形を事例に(渋谷勝己)

第3部 言語接触

第5章 中国語と日本語の接触がもたらしたもの 7~8世紀の事例に基づいて(乾善彦)
第6章 15世紀の英語とフランス語の接触 キャクストンの翻訳を通して(家入葉子・内田充美)
第7章 田言語接触の歴史社会言語学 小笠原諸島の場合(ダニエル・ロング)

第4部 言語計画

第8章 近代国民国家の形成と戦前の言語計画(山東功)
第9章 19世紀の学校教育におけるドイツ語文法ドゥーデン文法(1935年)にまで受け継がれたもの(高田博行)
第10章 英語における「言語計画」とは? 規範化に向かった時代(18~19世紀)(池田真)

参考文献

関連ページ

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