Yoko Iyeiri, Verbs of Implicit Negation and their Complements in the History of English (John Benjamins, 2010)

英語の補文を歴史の視点から

英語の補文(complementation)を、英語史の視点から調査分析しました。扱った動詞は、forbid, refuse, forbear, avoid, prohibit, prevent, hinder, refrain, fear, doubt, denyで、いずれも否定的な意味合いを含意する動詞です。

中英語期にthat節を従えていた動詞も、時代の変化とともにto不定詞や動名詞(-ing)を従えるようになることが少なくありません。本書では、例外があることを認めながらも、変化にはある種の方向性があることを指摘します。G. Rohdenburgが提唱するGreat Complement Shiftを応用して、First Complement Shift, Second Complement Shiftという用語を導入しました。

Chapterを分けて、不定詞を従える傾向が強い動詞、動名詞を従える傾向が強い動詞、前置詞付き動名詞を従える傾向が強い動詞、従属節を従える傾向が強い動詞を議論しました。その多くが過去にはthat節を従えていたことがわかります。また現在、さらなる変化を続けている動詞もあります。Forbidの現代英語における変化については、「関連する論文等」のところをご覧ください。

ISBN: 9789027211705
xv + 223 pages

John Benjamins社の本書の紹介ページ

追記 (2023年3月20日)

p. 74のデータの表記に誤りがありました。修正したものを反映した画像を以下に掲載しています。

Contents

Preface and acknowledgements

Abbreviations

List of tables and figures

  1. Introduction
  2. Verbs of implicit negation and to-infinitives
  3. Verbs of implicit negation and gerunds
  4. Verbs of implicit negation and gerunds with prepositions
  5. Verbs of implicit negation and subordinate clauses
  6. Summary and conclusions

Appendix

References

Index

関連する論文等