小迫勝、福永信哲、脇本恭子、瀬田幸人 (編) 『英語教育への新たな挑戦―英語教師の視点から』(英宝社, 2010)

英語教育をテーマとした論文集ですが、英文学、英語学の研究者も多数寄稿しています。第1部「主として中学校教師の視点に立った提案」、第2部「主として高等学校教師の視点に立った提案」、第3部「英語教師全般の視点に立った提案」から構成されています。

現代英語の集合名詞と数の一致

家入は、第2部に「変容する英語と英語教育」という論文を寄稿しました。書誌情報は、以下のようになります。

家入葉子. 「変容する英語と英語教育」 小迫勝、福永信哲、脇本恭子、瀬田幸人 (編) 『英語教育への新たな挑戦――英語教師の視点から』 pp. 63-76. 東京:英宝社. 2010.

論文のタイトルが若干抽象的ですが、本論文は英語の集合名詞の数の一致を扱った論文です。論文の前半でコーパス言語学が現代英語の理解にどのような影響を与えたかを論じ、後半で具体的な事例として集合名詞の数の一致の問題を扱いました。

集合名詞としては、特に会社名のPanasonicを取り上げ、この名詞が単数としての扱いを受ける場合と複数としての扱いを受ける場合があることを、イギリスの8つの新聞で調査し、文体上の違い等を明らかにしました。言語事実の方に主な関心がある場合は、後半だけを読んでいただいてもよいかと思います。