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言語のアトラス

  • The World Atlas of Language Structures (WALS) (ed. by Matthew S. Dryer & Martin Haspelmath) には、世界のさまざまな言語についての情報が含まれています。Englishで言語を検索してみると、Englishの他にMiskito Coast English Creoleへの言及がありました。Featuresのところを探索すると、興味深い情報が得られます。たとえばFeature 49Aでは、格の数についての情報(10以上という言語もあります)、Feature 81Aでは主語、目的語、動詞の語順など。(WALS Onlineについては、ブログサイトの「コトバと文化のフォーラム」でも紹介しています。こちらのページをご覧ください。)
  • 国立国語研究所サイト内の「使役交替言語地図」へのリンクです。

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コラム

西村義樹・野矢茂樹著 『言語学の教室』(中公新書、2013年)

言語学を専門とする西村義樹氏と哲学を専門とする野矢茂樹氏の対話の形式をとった認知言語学の入門書といってもとても奥が深いです。しかも読んでいて、楽しいです。

目次

はじめに

第1回 「彼女に泣かれた」――認知言語学の誕生
 間接受け身
 チョムスキーの革命
 生成意味論の失敗
 言語知識と心の働き
 認知言語学ならではの問題

第2回 「太郎が花子に話しかけてきた」――文法は意味と切り離せるか
 広義の文法と狭義の文法
 語彙項目
 文法とは何か
 文法は意味から自律しているか
 客観主義の意味論
 認知主義の意味論
 「てくる」の意味
 文法化
 認知文法と生成文法は対立しているのか

第3回 典型的な鳥と変な鳥がいる――プロトタイプと百科事典的意味論
 カテゴリー化
 古典的カテゴリー観
 新しいカテゴリー観
 プロトタイプの意味論
 言語習得における見本の重要性
 関東と関西では「肉じゃが」の意味は異なる
 プロトタイプとは
 百科事典的意味論
 「読む」といってもいろいろある
 典型的な犬の走り方
 文法項目のプロトタイプ

第4回 「死なれた」のか「死なせた」のか――使役構文の家族的類似性
 方言学で「使役」と呼ばれるもの
 自他対応
 「太郎が窓を開けた」では何が原因なのか
 英語と日本語における自他対応
 語彙的使役構文と迂言的使役構文
 「死ぬ」・「殺す」・「死なせる」
 「この薬があなたの気分をよりよくさせるだろう」
 日本語では無生物主語の使役構文は言えないか
 道具主語の使役構文
 「花子は風で帽子を飛ばしてしまった」
 受身と使役
 日本人と使役構文
 使役構文のプロトタイプ
 無生物主語の使役構文とメタファー
 道具が行為する
 意図しない結果への派生
 何もしないことも行為である

第5回 「村上春樹を読んでいる」――メトニミーをどう捉えるか
 こんなものもメトニミーなのか?
 メトニミーと多義性
 動詞のメトニミー
 参照点理論
 所有表現の分析
 メトニミーの一方向性と参照点理論
 フレームと焦点
 パルメニデスなんて指示できません
 タフ構文(This book is diffisult to read.)
 初期の分析
 認知言語学からの代案
 「パイプが詰まっている」
 構文の意味とメトニミー的多義
 迷惑受身

第6回 「夜の底が白くなった」――メタファー、そして新しい言語観へ
 メタファーの事例
 「私たちの生を支えるメタファー」
 概念メタファー
 言語学なのか哲学なのか
 原理なき創造性
 メタファーの誕生と死
 メタファーとメトニミー
 言語はつねに「揺らぎ」をもっている

おわりに

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