Ingrid Tieken-Boon van Ostade, Gunnel Tottie, & Wim van der Wurff (eds.), Negation in the History of English (Mouton de Gruyter, 1998)

英語の歴史における否定構文

本書は、1994年12月にライデン大学で開催された英語の否定の歴史についてのコロキアムで発表された論文を収録したものです。古英語から現代英語に至るまでの否定のさまざまな現象が議論されています。理論的な研究から社会言語学までというように、アプローチも多様です。

中英語韻文における多重否定

家入は、”Multiple Negation in Middle English Verse”というタイトルで、中英語の多重否定についての論文を寄稿しました。書誌情報は以下のようになります。

Iyeiri, Yoko. 1998. “Multiple Negation in Middle English Verse”, in Negation in the History of English, ed. Ingrid Tieken-Boon van Ostade, Gunnel Tottie, & Wim van der Wurff, pp. 121-146.  Berlink: Mouton de Gruyter.

議論の中心は、中英語全体を通じての多重否定の衰退現象です。中英語初期のPoema Moraleから中英語後期のStanzaic Morte Arthurまでを対象に、衰退の過程を明らかにしました。多重否定のタイプごとの分析、同じ著者の場合でも文体によって多重否定の頻度が異なることなどを扱っています。