インド・ヨーロッパ語族と英語

インド・ヨーロッパ語族の移動

The History of English in One Hundred WordsのGuest (14)の中に、インドヨーロッパ語族が西ヨーロッパに移動した時期等に関する記述があります。なかなか詳しく書かれています。

ゲルマン諸語から英語へ

ゴート語の聖書(Wulfila)

東ゲルマン語族に属するゴート語は死語となりましたが、Wulfilaによる聖書の翻訳(4世紀)が残されています。こちらのページでは、その画像を見ることができます。背景が着色されたとてもきれいな写本です。また、Wulfila projectの中のこちらからも、テキストを見ることができます。

フリジア語

古英語に関連が深いフリジア語は、YouTubeのここにアクセスすると聞くことができます。 (Keith JohnsonのThe History of Early Englishからの情報 )

ルーン文字

イギリスでも現在のローマ文字が導入される以前は、ルーン文字が使用されていました。占いなどのために使われたというイメージが強いですが、普通に文字として機能していて、ルーン文字で書かれた文学作品も残っています。その文化的背景や起源について詳しい解説がなされています。

川崎靖(著)『ルーン文字の起源』を紹介します。目次は、

第1章 文化誌的背景(キリスト教とギリシア語、フェニキア人の歴史)
第2章 アルファベット文字体系の変遷
第3章 ルーン文字の諸問題(ルーン文字とは?、ルーン文字の由来[ラテン文字説、ギリシア文字説、北イタリア文字説])
第4章 ルーン文字の起源(ルーン文字の配列をめぐって、フェニキア文字説[頭音法に基づく文字配列、子音の表記法、各語の区切り、半母音w, j])

ゲルマン民族がブリテン島への上陸

ビード (Beda, Bede) (673?-735)が『英国民の教会史』(Historia ecclesiastica gentis Anglorum)において記述したところによれば、アングロ・サクソン人のブリテン島への上陸は449年ということになっています。またこの449年という年代は、『アングロ・サクソン年代』(Anglo-Saxon Chronicle)の中にも出てきます。一方で、これ以前にもすでにゲルマン人がブリテン島に入っていたという見方もあり、その点を強調する英語史も少なくありません。たとえば、Charles BarberのThe English Language では、

“There is some archaeological evidence that Saxons settled in East Anglia and the Vale of York while Britain was still a Roman Province, but the main settlements were made after the Roman legions had withdrawn from Britain in AD 410.” (p. 100)

と記述されています。

『英国民の教会史』と『アングロ・サクソン年代記』における449年という年代については、堀田隆一先生のブログにも詳細がありますので、確認してみてください。リンク:『英国民の教会史』『アングロ・サクソン年代記』

Bedeの『英国民の教会史』は、高橋博 (訳) 2008.『ベーダ英国民教会史』(講談社学術文庫)で読むこともできます。また、Anglo-Saxon Chronicleの写本をBritish Libraryのサイトで見ることができますので、こちらもご参照ください。

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