中英語頭韻詩

Sir Gawain and the Green Knight

中英語の入門ではほとんどの人が Geoffrey Chaucer を読むと思いますが、一段落したら、Sir Gawain and the Green Knight に進んで、同時代ながらかなり雰囲気が異なる英語を楽しんでみましょう。ずいぶん読みにくいと感じるかもしれませんが、これは方言の違いによるものです。

使用するテキストとしては、Sir Gawain and the Green Knight (ed. J. R. R. Tolkien, E. V. Gordon, Norman Davis)がお勧めです。

University of CalgaryのGawain Manuscriptのページでは、Sir Gawain and the Green Knightを含む写本の画像をサムネイルの形で見ることができます。「コトバと文化のフォーラム」でも、大英図書館の公開画像の紹介ページで、Gawain Manuscript、すなわちMS Cotton Nero A.xへのリンクを張っています。

Piers Plowman

Piers Plowmanは写本の関係がとても複雑で、研究に使用する場合には、さまざまな注意が必要になります。しかし代表的な中英語作品ですから、一度読んでみる価値はあると思います。文学的な評価も高いです。

以下のサイトにやや専門的ですが詳しい情報があります。

コラム

田島松二(著)『中英語の統語法と文体』(南雲堂、2016)

本書は、著者がこれまでに発表した論考を一冊にまとめたものです。中英語頭韻詩を題材に調査分析した論文も多数含まれています。研究テーマを選ぶ際にヒントになる情報がたくさん含まれています。目次は以下のようになっています。

1 本文研究
「古・中英語テキストにおけるトリヴィア研究のすすめ」
「The Canterbury Tales: General Prologue, line 521をめぐって」
「Piers Plowman B.V.379に関する統語ノート」
「中英語頭韻詩Pearl, line 446について」

2 統語法研究
「新しい中英語統語論―Olga Fischer, ‘Syntax’ (The Cambridge History o the English Language, Vol. II) をめぐって」
「中英語における動名詞の発達に関する諸問題」
「後期中英語における法助動詞 Ought の発達―特に Chaucer の用法に関連して」
「中英語における ‘one the best (man)’ 型構文」
「中英語における ‘take (one’s) leave of / at’ について」
「中英語における形容詞 ‘worthy’ の統語法」

3 頭韻詩の言語と文体
「中英語頭韻詩の言語・文体と Authorship― Gawain 詩群を中心に」
「中英語頭韻詩における迂言的助動詞 gan (con)― Gawain 詩群の authorship に関連して」
「Gawain 詩群における中性人称代名詞 Hit」
「Gawain 詩群における絶対形容詞」