英語史全般(基本文献等)

英語史を説明する地図

  • 英語の始まりから現在までを地図(および図)を使ってわかりやすく説明したページ、25 maps that explain the English language(Libby Nelson氏のページ)へのリンクです。

英語史を年表で

寺澤芳雄・川崎潔(編)『英語史総合年表―英語史・英語学史・英米文学史・外面史』(研究社、1993年)

英語史では、英語そのものの歴史(内面史)と英語を取りまく社会の変化(外面史)の両方を視野に入れての考察が必要になります。大量の史実は、文章形式よりも年表形式の方が整理しやすい場合もあります。そのようなときに、この『英語史総合年表』は重宝します。文献についての情報も詳しいです。

H. ブラッドリ(著)・寺澤芳雄(訳)『英語発達小史』

Henry Bradleyの100年以上前の名著、The Making of Englishの日本語訳です。この本は英語で読んだ方がよいという意見もたくさんありますが、岩波文庫で読めるというのはなによりも便利なので、古典的な英語史というジャンルはこの本からスタートしてもいいかもしれません。近年の英語史のようなわかりやすさはないかもしれませんが、英語史上のエピソードに溢れていて、著者の感性の豊かさが感じられる英語史です。

英語史関係の基本文献等

比較的読みやすい英語史

  • Barber, Charles. 1993. The English Language: A Historical Introduction. Cambridge: Cambridge University Press.
  • Smith, Jeremy J. 1999. Essentials of Early English. Routledge.
  • Fennell, Barbara A. 2001. A History of English: A Sociolinguistic Approach. Blackwell.
  • Svartvik, Jan & Geoffrey Leech. 2006. English: Our Tongue, Many Voices. Palgrave Macmillan.
  • 松浪有(編) 1986.『英語史』(英語学コース 1) 大修館書店.
  • 松浪有(編)、小川浩・児馬修・本名信行・小倉美知子・浦田和幸(著) 1995.『英語の歴史』 (テイクオフ英語学シリーズ) 大修館書店 ― 同じ大修館書店の「英語学コースのシリーズよりさらに難易度が低い
  • 橋本功. 2005. 『英語史入門』 慶応義塾大学出版会
  • 寺澤盾. 2008.『英語の歴史――過去から未来への物語』中公新書 - 新書で読める英語史です。詳細を見ると、国際語としての英語、英語のルーツ、語彙の拡大(英語史の概要、古英語期――派生と複合による新語形成、中英語期――大量のフランス語流入、近代英語期――国際化した借用語)、綴り字・発音・文法の変化(綴り字と発音のずれ、文法――人称代名詞と助動詞の発達)、英語の拡張、現代の英語(科学技術の進歩、環境問題、差別撤廃運動、性差とフェミニズム)、英語の未来、のような構成になっています。
  • 家入葉子. 2007.『ベーシック英語史』ひつじ書房 - 15章からなり教科書として使いやすい英語史です
  • 堀田隆一. 2016. 『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』研究社 ― 著者のブログと合わせて読むと面白いです
  • 柳朋宏. 2019.『英語の歴史をたどる旅』(中部大学ブックシリーズ) - 写真が豊富でわかりやすい英語史です

伝統的な英語史

  • Brook, G. L. 1958. A History of the English Language. London: André Deutsch.
  • Strang, Barbara M. H. 1970. A History of English. London: Methuen.
  • Baugh, A. C. & T. Cable. A History of the English Language. Routledge.
  • Bradley, Henry & Simeon Potter. The Making of English. Macmillan.
  • Bolton, W. F.. 1982. A Living Language: The History and Structure of English. New York: Random House.

最近出版の詳しい英語史

  • Brinton, L. J. & L. K. Arnovick. 2006. The English Language: A Linguistic History. Oxford: Oxford University Press. — 図表や地図等も多く、わかりやすい英語史です。2000年代以降の英語史の出版ブームの流れを受けた著書の一冊で、現在も着実に版を重ねています。
  • Hogg, R. M. (gen. ed.) 1992-2001. The Cambridge History of the English Language. 6 vols. Cambridge: Cambridge University Press.
  • Hogg, R. M. & D. Denison (eds.) 2006. A History of the English Language. Cambridge: Cambridge University Press.
  • Mugglestone, L. (ed.) 2006. The Oxford History of English. Oxford: Oxford University Press.
  • van Gelderen, Elly. 2006. A History of the English Language. Amsterdam: John Benjamins. — とても気配りが行き届いていて読みやすい英語史です。
  • van Kemenade Ans & Bettelou Los (eds.) 2006. The Handbook of the History of English. Blackwell Publishing.

関連サイト

『はじめての英語史』(堀田隆一先生)の連載(研究社)

堀田隆一先生の『はじめての英語史』(研究社)の連載サイトへのリンクです。2017年1月から12月にかけて連載されたもので、以下のような目次が並んでいます。『はじめての英語史』と合わせて学ぶとより効果的だと思います。

第1回 「ことばを通時的に見る」とは?
第2回 なぜ3単現に -s を付けるのか?
第3回 なぜ英語は母音を表記するのが苦手なのか?
第4回 イギリス英語の autumn とアメリカ英語の fall
第5回 alive の歴史言語学
第6回 なぜ英語語彙に3層構造があるのか?
第7回 接尾辞 -ish の歴史的展開
第8回 なぜ「グリムの法則」が英語史上重要なのか
第9回 なぜ try が tried となり,die が dying となるのか?
第10回 なぜ you は「あなた」でもあり「あなたがた」でもあるのか?
第11回 なぜ英語はSVOの語順なのか?(前編)
第12回 なぜ英語はSVOの語順なのか?(後編)

堀田隆一先生の英語史ブログへのリンクはこちら

The Oxford Handbook of the History of English (OUP, 2012)

こちらは、大学院生向けの情報です。

The Oxford Handbook of the History of Englishは、Terttu Nevalainen & Elizabeth Closs Traugottの編集による英語史関連のハンドブックです。近年、海外の出版社でハンドブックが次々に出版されていて、本書はこの潮流を受けた出版物の一つです。英語史全体を展望したときに、重点がやや現代英語方向にシフトしていますが、古英語から現代英語までを扱い、近年の英語史研究の流れをつかむのにとてもよいハンドブックだと思います。各章が独立していますので、興味がある章を単発で読んでもいいと思います。