英語史全般(基本文献等)

関連の情報

  • 「インド・ヨーロッパ語族と英語」のページでは、ゴート語の聖書へのリンクや、フリジア語を聞くことができるYouTubeへのリンクを張っています。合わせてご利用ください。
  • 英語の始まりから現在までを地図(および図)を使ってわかりやすく説明したページ、25 maps that explain the English language(Libby Nelson氏のページ)があります。

英語史を年表で

寺澤芳雄・川崎潔(編)『英語史総合年表―英語史・英語学史・英米文学史・外面史』(研究社、1993年)

英語史では、英語そのものの歴史(内面史)と英語を取りまく社会の変化(外面史)の両方を視野に入れての考察が必要になります。大量の史実は、文章形式よりも年表形式の方が整理しやすい場合もあります。そのようなときに、この『英語史総合年表』は重宝します。文献についての情報も詳しいです。

H. ブラッドリ(著)・寺澤芳雄(訳)『英語発達小史』

Henry Bradleyの100年以上前の名著、The Making of Englishの日本語訳です。この本は英語で読んだ方がよいという意見もたくさんありますが、岩波文庫で読めるというのはなによりも便利なので、古典的な英語史というジャンルはこの本からスタートしてもいいかもしれません。近年の英語史のようなわかりやすさはないかもしれませんが、英語史上のエピソードに溢れていて、著者の感性の豊かさが感じられる英語史です。

英語史関係の基本文献等

比較的読みやすい英語史

  • Barber, Charles. 1993. The English Language: A Historical Introduction. Cambridge: Cambridge University Press.
  • Smith, Jeremy J. 2023. Essentials of Early English: An Introduction to Old, Middle, and Early Modern English. Routledge.(ブログサイト、Castlecliffeでもこの本を紹介しています。)
  • Fennell, Barbara A. 2001. A History of English: A Sociolinguistic Approach. Blackwell.
  • Svartvik, Jan & Geoffrey Leech. 2006. English: Our Tongue, Many Voices. Palgrave Macmillan.
  • 松浪有(編) 1986.『英語史』(英語学コース 1) 大修館書店.
  • 松浪有(編)、小川浩・児馬修・本名信行・小倉美知子・浦田和幸(著) 1995.『英語の歴史』 (テイクオフ英語学シリーズ) 大修館書店 ― 同じ大修館書店の「英語学コースのシリーズよりさらに難易度が低い
  • 橋本功. 2005. 『英語史入門』 慶応義塾大学出版会
  • 寺澤盾. 2008.『英語の歴史――過去から未来への物語』中公新書 - 新書で読める英語史です。詳細を見ると、国際語としての英語、英語のルーツ、語彙の拡大(英語史の概要、古英語期――派生と複合による新語形成、中英語期――大量のフランス語流入、近代英語期――国際化した借用語)、綴り字・発音・文法の変化(綴り字と発音のずれ、文法――人称代名詞と助動詞の発達)、英語の拡張、現代の英語(科学技術の進歩、環境問題、差別撤廃運動、性差とフェミニズム)、英語の未来、のような構成になっています。
  • 家入葉子. 2007.『ベーシック英語史』ひつじ書房 - 15章からなり教科書として使いやすい英語史です
  • 堀田隆一. 2016. 『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』研究社 ― 著者のブログと合わせて読むと面白いです
  • 柳朋宏. 2019.『英語の歴史をたどる旅』(中部大学ブックシリーズ) - 写真が豊富でわかりやすい英語史です

伝統的な英語史

  • Brook, G. L. 1958. A History of the English Language. London: André Deutsch.
  • Strang, Barbara M. H. 1970. A History of English. London: Methuen.
  • Baugh, A. C. & T. Cable. A History of the English Language. Routledge.
  • Bradley, Henry & Simeon Potter. The Making of English. Macmillan.
  • Bolton, W. F.. 1982. A Living Language: The History and Structure of English. New York: Random House.

最近出版の詳しい英語史

  • Brinton, L. J. & L. K. Arnovick. 2006. The English Language: A Linguistic History. Oxford: Oxford University Press. — 図表や地図等も多く、わかりやすい英語史です。2000年代以降の英語史の出版ブームの流れを受けた著書の一冊で、現在も着実に版を重ねています。
  • Hogg, R. M. (gen. ed.) 1992-2001. The Cambridge History of the English Language. 6 vols. Cambridge: Cambridge University Press.
  • Hogg, R. M. & D. Denison (eds.) 2006. A History of the English Language. Cambridge: Cambridge University Press.
  • Mugglestone, L. (ed.) 2006. The Oxford History of English. Oxford: Oxford University Press.
  • van Gelderen, Elly. 2006. A History of the English Language. Amsterdam: John Benjamins. — とても気配りが行き届いていて読みやすい英語史です。
  • van Kemenade Ans & Bettelou Los (eds.) 2006. The Handbook of the History of English. Blackwell Publishing.

YouTubeで英語史

『はじめての英語史』(堀田隆一先生)の連載(研究社)

堀田隆一先生の『はじめての英語史』(研究社)の連載サイトへのリンクです。2017年1月から12月にかけて連載されたもので、以下のような目次が並んでいます。『はじめての英語史』と合わせて学ぶとより効果的だと思います。

第1回 「ことばを通時的に見る」とは?
第2回 なぜ3単現に -s を付けるのか?
第3回 なぜ英語は母音を表記するのが苦手なのか?
第4回 イギリス英語の autumn とアメリカ英語の fall
第5回 alive の歴史言語学
第6回 なぜ英語語彙に3層構造があるのか?
第7回 接尾辞 -ish の歴史的展開
第8回 なぜ「グリムの法則」が英語史上重要なのか
第9回 なぜ try が tried となり,die が dying となるのか?
第10回 なぜ you は「あなた」でもあり「あなたがた」でもあるのか?
第11回 なぜ英語はSVOの語順なのか?(前編)
第12回 なぜ英語はSVOの語順なのか?(後編)

堀田隆一先生の英語史ブログへのリンクはこちら

コトバと文化のフォーラム — Castlecliffe

・外部サイトのコトバと文化のフォーラムは、家入葉子のブログです。この中にも英語史関連のコラムがあります。検索ボックスで「英語史」と入れて、探索してみてください。