卒業論文・修士論文
卒業論文・修士論文の執筆に際して
1,2年生で、英語学に関心があって専修の選択について相談したい人、 3, 4年生で卒論についての相談をしたい人は、プロフィールページに掲載の連絡先より連絡をとり、ご相談ください。
過去の英語学の卒業論文・修士論文・レポートのタイトルを選択的にリストにしたページ(学生のみなさんは、パスワードをお尋ねください)
図書館情報機構のウェブサイトに、参照すべき論文を探すためのデータベースの利用や著作権等についてのセミナー動画があります。これを一通り見ておくのもよいかと思います。学内限定ですが、こちらのサイトをご覧ください。
書式について
書式については、英語学英米文専修ではMLAの論文の書き方をお勧めしています。ただし、英語学の論文では、参考文のリストを作成する際には、著者名の直後に論文や著書の出版年を記する方式が一般に広く用いられていますので、この点については、必ずしもMLAに従う必要はありません。出版年を著者名の直後においていただいてかまいません。
論文のテーマを決める
まずは論文のテーマを決めることからスタートします。すでに日頃の授業等で関心を持っているテーマがあるのであれば、それを深める方法もあると思います。このホームページにもいくつかヒントがありますので、参考にしてください。たとえば、英語史全般のページに、英語史関係の基本文献をいくつかリストしています。この中の「最近出版の詳しい英語史」の文献にざっと目を通す、英語学のテーマを探すための論文一覧のページの論文からテーマを探す、なども可能でしょう。テキスト調査型レポートのヒントのページには文献資料についての情報がありますので、このページも参照してください。卒論・修論と日ごろのレポートとの違いは基本的には規模の違いですので、テーマ探しには、レポート用に作成したページも参考になると思います。
『文献学と英語史研究』(家入葉子・堀田隆一著、2022年)では、20世紀後半から最近までの研究動向を紹介しています。多数の先行研究に触れていますので、論文のテーマを探す際に参照してください。
先行研究の文献リストを作成する
論文のテーマが決まったら、次に先行研究の文献リストを作成してください。その際に役に立つリンクは、こちらに用意しています。参考文献表は、論文が出来上がるまで何度も見直します。論文作成の最初から最後まで必要になるアイテムです。論文の最後についているので最後に作り上げるものだと誤解している人がいますの注意してください。(文献リストを作成するための関連ページも参照してください。)
どの時代のどのようなテーマを研究する場合にも参考にして欲しい文献をリスト
General
Denison, David. English Historical Syntax: Verbal Constructions (Longman, 1993).
動詞にかかわるこれまでの研究を首尾よくまとめてあるので、どの時代を調査の対象とする場合でも、とりあえず目を通したほうがいいでしょう。
Jespersen, Otto. A Modern English Grammar on Historical Principles. 7 vols. (Heidelberg: Carl Winter, 1909-49).
やや古い文献ですが、どの分野を扱う場合でも、やはり目を通しておくべきでしょう。名著普及会から復刻版が出版されました。古本で探すときには、両方の情報で検索してみましょう。
Visser, F. Th. An Historical Syntax of teh English Language. 3 parts in 4 volumes. (Leiden: E. J. Brill, 1963-73).
やや使いにくい本ですが、我慢して使っているうちに、いろいろ有益な情報が浮かび上がってきます。
The Cambridge History of the English Language
英語史に関する論文を書く場合はもちろん、現代英語について調査を進める場合でも、その背景にある歴史を見るために必ず参照したいのが、ケンブリッジ大学出版局から出ているThe Cambridge History of the English Languageです。時代ごとにvolumesが分かれていて、以下のようになっています。
- Volume 1, The Beginnings to 1066 (ed. Richard M. Hogg, 1992)
- Volume 2, 1066–1476 (ed. Norman Blake, 1992)
- Volume 3, 1476–1776 (ed. Roger Lass, 2000)
- Volume 4, 1776–1997 (ed. Suzanne Romaine, 1999)
- Volume 5, English in Britain and Overseas: Origins and Development (ed. Robert Burchfield, 1994)
- Volume 6, English in North America (ed. John Algeo, 2001)
Old English
Mitchell, Bruce. Old English Syntax.2 vols. (Clarendon Press, 1985).
論文のテーマに古英語を選ばなかった場合でも目を通してください。
小野茂・中尾俊夫 『英語史 I』(英語学体系, 8) (大修館書店、1980)
その後も版を重ねていますので、別の版でも結構です。
Middle English
Mustanoja, T. F. A Middle English Syntax (Helsinki, 1960)
(A Middle English Syntax はリプリントで読むことができます。しばらくは名著普及会のものが入手可能でしたが、2016年に Elly van Gelderen の序論つきで、John Benjamins からリプリントが出ました。 )
中尾俊夫 『英語史 II』(英語学体系, 9) (大修館書店、1972)
Modern English/Present-day English(論文のテーマに古英語や中英語を選んだ場合でも目を通してください)
Biber, Douglas, et al., Longman Grammar of Spoken and Written English (Longman, 1999).
Huddleston, Rodney, Geoffrey K. Pullum, et al., The Cambridge Grammar of the English Language (Cambridge University Press, 2002).
Quirk, R. , S. Greenbaum, G. Leech, & J. Svartvik, A Comprehensive Grammar of the English Language (Longman, 1985).
文献の取り寄せ
多くの文献は、京都大学の図書館(附属図書館、文学研究科の図書館等の部局の図書館)で入手可能ですが、入手できない場合は、国内の他大学や国立国会図書館等から取り寄せることが可能です。図書館のカウンターで、問い合わせて、取り寄せをしてください。また、国内に所蔵されていない文献については、大英図書館の複写サービスを利用することもできます。詳細は、こちらをご覧ください。クレジットカードでの支払いにより、早ければ数日でPDFでの取り寄せが可能です。
関連リンク
- The British Library’s document supply service(文献の取り寄せ)
- The English Style Book – A Guide to the Writing of Scholarly English (Robert Clark, Reader in English, University of East Anglia, Norwich)
- Common Errors in English (Paul Brian, Washington State University)